5年間で売上5.3倍 拠点拡大でも組織が崩れない仕組み
グリーン司法書士法人グループ 代表社員/司法書士/行政書士 山田愼一

司法書士業務・行政書士業務を中心に、相続、債務整理、商業登記、不動産登記など、法律と手続きに関する幅広い課題解決をワンストップで提供するグリーン司法書士法人グループ。東京・大阪・名古屋・広島・福岡・札幌に全国6拠点を持ち、福井にコールセンターも設置。2025年にはグリーン税理士法人もグループ入りを果たし、法務・税務が融合した総合的な支援体制を構築。「お客様にとって最も身近な専門家であること」を理念に掲げ「困ったときにまず相談できるグループ」として、全国の個人・法人のお客様の課題解決に貢献。
5年で約5.3倍の成長率
この5年間で驚異的な成長をされています。当時との差と成長の秘訣があればご教授ください。
代表社員 山田愼一様(以下、山田様):当時は東京進出前でしたので、売上がちょうど4億5,000万円くらい、人数は50名もいなかったと思います。現在は、グループ全体で24億円前後になる見込みで、従業員数は260名前後です。拠点もグループ全体でかなり増えました。
拡大が出来たのは「人を先に採用する」という考え方が自身に腹落ちしたことが大きいと思っています。
実は創業以来ずっと「仕事が増えたら人を増やす」という発想しかなかったのですが、東京進出のときは「先に3人雇う」と決めて、仕事がほぼゼロの状態でも「半年近く赤字を覚悟」で進出を決めました。進出してしまえば、あとはやるしかないですし実際なんとかなりました。
広告などマーケには投資できるのに、「人材への先行投資」という概念は自分の中になかった。それが持てるようになったことは、かなり大きかったと思います。以前は集客や営業で売上を増やしても、人が足りずに受けきれず、機会損失を起こしていたのですが、今はそれがかなり減りました。
現在は週報伴走のサポートをさせていただいておりますが
御社の成長に貢献出来ていますか?
山田様:もちろんです。ものすごく効いています。週に1回、数字をもとにPDCAを回すだけでも、社員の意識は全然違います。本来は1分単位・1秒単位でビジネスを見ることが出来れば良いですが、それは現実的ではない。週に1回きちんと数字を見て、行動を振り返るということだけでも、中小企業ではほとんどやっていないレベルだと思います。
一般的な中小企業で、社長以外のメンバーが会社の重要数字を意識して働いている会社は多くありません。幹部ですらそうだと思います。「会社が何を求めているのか」が明確ではない会社も多いですが、弊社は週報を通じてそれがかなり明確になってきました。
数字が多少悪くても、毎週「意識して」「言語化して」「報告する」ことを続けているだけで、目標達成の精度はかなり上がります。そこからさらに、「じゃあ次は何の手を打つか」まで落とし込めるようになれば、成長するべく成長するのだと実感しています。

御社の社員は自責で捉える方が多いように感じるのですが、採用で意識していることはありますか?
山田様:能力や資格も最低限は必要ですが、それ以上に人柄を重視しています。
弊社の「良い人柄」の定義は、
- 素直である
- 勉強好きである
- ちゃんと内省できる(自己否定的ではなく、建設的に振り返れる)
このあたりですね。
部署がたくさんあるので、その基準を合わせるのが難しいのですが、そこは適性検査を活用しています。もちろん、データがあるからと言って100%当たるわけではないですが、「科学的な指標」としてのデータを持ったうえで、最後は自分達の感覚・フィーリングで判断する。その「補完材料」を持っていることが大事だと思っています。時間もコストもかかりますが、そこは必要な投資ですね。
ここまで成長しているのは、お客様からの評価の現れだと思います。
社員の皆さんには、どんなことを大切にしてお客様対応をするように伝えていますか。
山田様:一番は、「お客様に心から感謝すべきだ」ということです。
学生時代までは、親や先生が「お金を払ってくれる人」であり、かつ「教えてくれる人」でもありました。社会人になると、その役割をお客様が担ってくださいます。具体的な仕事のやり方は先輩や上司から教わりますが、
- うまくいったときのお褒めの言葉
- うまくいかなかったときのお叱り・ご指摘
こうした「フィードバック」をくださるのは、お客様です。しかも、そのお客様からの報酬で私たちは生活が成り立っている。つまり、お客様は「仕事を教えてくれる存在」であり「生活を支えてくれる存在」でもあるわけです。
新卒の説明会などでも、この話は必ずするようにしています。そのうえで、「ご指摘や、クレームは隠さない」ことも徹底しています。弊社ではクレームが起きたこと自体で評価を下げることはしません。ただし、クレームを隠したときは厳しく処分します。
クレーム情報はシステムで一元管理し、即時対応が必要なものはチャットにも自動連携して月1回クレーム勉強会を開き、「何がいけなかったか」「どうすれば満足いただけたか」を議論しています。法律的・客観的にどちらが正しいかではなく、「お客様にご満足いただくためにはどうすべきだったか」という視点で考えるようにしています。
債務整理部門部長 渡邊優太様にもお話を伺いました

債務整理部門部長/司法書士/行政書士 渡邊優太
会社の成長に関して伺います。現場を任されている部長として、成長要因は何だと認識していますか?
渡邊部長(以下、渡邊様):売上の柱で言えば、「債務整理」と「相続」が大きいです。
- 債務整理のWeb集客が好調
- 相続はご紹介経由が好調
特に相続については「全国に拠点を持つ司法書士事務所」が少なく、スケールしている競合も少ないんです。そのため、全国各地の提携先様からB to B to Cの形で多くのご紹介をいただいています。営業・コールセンターを全国展開することで相乗効果も出ており、ライバルが少ない領域でスケールさせたことが、成長の大きな要因だと思います。
また、組織の体制も、たとえば私の部署の場合、借金問題、不動産登記、司法書士業務全般など「商品・事業軸」で管轄しています。大阪・東京・名古屋など複数拠点にまたがっていますが、拠点ごとではなく、事業部制で一括で見るイメージです。こうすることで、サービスを絞めて生産性を高めやすくしています。拠点ごとにマネージャーを大量に育てなくても、成長スピードを上げられるというメリットがあり、これらがうまく機能しているのだと認識しています。
とはいえ、拠点数も増えてきたので、今後は「拠点マネージャー」を育てていくフェーズにも入っていく必要があると感じています。
事業部制での成果を最大化するために週報の仕組みを実践されていますが、数字面ではどのような変化がありましたか。
渡邊様:わかりやすいところですと、アップセルの金額や月次達成率が大きく変わりました。たとえば大阪のあるチームでは、
- 目標期日に遅れず仕事を終える割合が上がった
- 追加受注(アップセル)の金額が増えた
といった形で、目標達成の確率が明らかに高くなっています。毎週「何をやるか」「その結果どうだったか」を確認することで、単純に行動量と質が上がっています。一番大きな効果としては、余計な迷いが減るということですね。
目標や基準が明確なので、「どこができていて、どこができていないか」の差分を毎週正しく認識できます。週報で設定しているタスクは、業務の中でも特に重要度が高いものなので「何が重要か」が部下本人にもわかりやすいですね。1週間ごとに振り返るので改善スピードも速いですし。その結果が成長速度の速さに直結していると感じています。
毎週定例で行うので業務時間も取られますが、それ以上の効果が集団の成果として出ているので、とても良い仕組みだと思っています。また、型が決まっていることで、入社して間もない人でも、早い段階で「どう動けばいいか」がわかりやすいのもメリットだと思います。

新卒の方でも早期に役職者になるケースも出てきていますよね。採用や育成について教えてください。
渡邊様:私の部署ではないですが、別の部署で新卒が係長になりました。最短だと、4月入社で7〜8ヶ月くらいで役職に就いたケースもあります。
採用・育成と両方に力を入れていまして、採用の面では、適性検査などを活用しつつ、一定の「頭の使い方」の基準を設けています。業界的にも、司法書士事務所やその周辺事業は「勉強してきた人」が目指しやすい業界だと思うので、他業種と比べると、そういう層が集まりやすいという背景もあると思いますが….。
育成面では、実務よりも「ベクトルを揃える」ことに力を入れています。たとえば、「環境整備」(整理整頓・キレイにする習慣)や、「同じ方向を向いて働くことの重要性」、役職ごとの役割認識(社長は決定とチェック、幹部は実行責任、など)を共有しています。
また、教育の仕組みに関しても現在取り組んでいるところです。新卒研修は以前は1〜2日でしたが、今は1週間しっかり設けています。中途入社の方にも、いきなり「現場で見て覚えて」ではなく、きちんと導入研修を行う方向に変えてきました。骨子に関しては、濵中さんに一緒に作っていただきましたのでそこは感謝しています。今は教育の成果指標をどのように測っていくかに取り組んでいるところです。それらを週報や評価と連動させていく形を目指しています。
弊社のサービス(評価制度・週報・仕組みづくり)を検討されている企業様に向けて、「こういう企業様には特におすすめ」ということがありましたら、教えてください。
渡邊様:そうですね、どこの企業にも有効だとは思うのですが、特におすすめということであれば、2つあると思います。
①目標を決めても、なかなか達成できない会社
- ずっと現状維持が続いている
- 「変わらなければいけない」と頭では分かっているが、行動を生む仕組みがない
人間は現状維持が一番ラクなので、放っておくと変わらない方向へ流れていくじゃないですか。週報の仕組みは、「変わるための行動」を毎週具体的に決めて、チェックしていくので、その「変化の仕組み」として非常に有効だと思います。
②マネージャーが育っておらず、『マネージャーとは何をする人か』が定義されていない会社
実務ができる人がそのままマネージャーになっているパターンの会社ですね。自分の仕事を早く終わらせて、部下の仕事を一部手伝っているだけの状態の会社です。そうではなく、
- 部署の様々な目標を落とし込み実践するチーム作り
- できていなければ原因を深掘りし解明する
- 行動変容を起こすマネジメント
という「型」を持ったマネージャーが必要だと思っていまして、その型として、週報・評価の仕組みは非常によくできていると思います。
実際、弊社もこの仕組みを入れてから、受注数も売上もかなり上がりました。期首に「こんなの誰が達成できるんだ」と思うような目標を置いても、期末になるとなぜか達成できてしまう。これは、週報で行動を細かく刻み、毎週報告することによって「改善行動の実行確率」が上がっているからだと思います。ですので、濱中さんには本当に感謝しているんですよ。もちろん、他の研修会社等でいろんな理論・仕組みを学びつつも、
- 変な混ぜ方をしない
- 自社に合う形にうまくアレンジする
ということが大事で、その定着ツールとして、この週報の仕組みは実践的で効果が出ると感じています。
会社名 グリーン司法書士法人
本店 東京都新宿区西新宿1-26-2 新宿野村ビル12階
代表者名 代表社員 山田 愼一
事業内容 司法書士業務・行政書士業務・相続・債務整理・商業登記・不動産登記
企業サイト https://green-osaka.com/