驚異の成長率 直近2年間で売上5倍 自己理解をベースとした組織運営
株式会社アズワン・ビルド 代表取締役 南畑 俊介

大阪を拠点に不動産売買、収益不動産、賃貸管理、開発、農地管理、解体、消防設備、防災・災害リスクマネジメントまで手がける不動産総合企業。「報恩感謝」「人として正しい」を軸に、顧客の想いと人生に寄り添い、共尊共栄と次世代につながるまちづくりを重視し、災害支援、文化・伝統の保全、環境配慮、教育・地域貢献、空き家再生など、社会貢献にも積極的に取り組む。直近2年間で売上が約5倍の11億、30名体制に。
直近2年間で売上5倍の成長率
短期間でものすごい成長をされていますが、秘訣があればご教授ください
代表取締役 南畑 俊介様(以下、南畑様):弊社は社員がすべて「直接訪問」で顧客を開拓している会社です。不動産市場に出ていない土地や物件を発掘して、価値のある不動産に“蘇生”させる、というのが一番の強みです。
物件の種別はほとんど問いませんが、代表的なのは「農地を物流施設用地に変える」というケースですね。農地だったところを行政と協議しながら、自治体と一緒になってまちづくりの観点で用途変更していきます。本格的にやっている会社は日本でも2〜3社しかないと思います。
現在は不動産のAI査定がどんどん進んでいて、ポータルサイトやクリックひとつでだいたいの価格が出てくる時代ですが、そのAI査定で「偏差値化」されるような世界に乗らない土地や案件が、実はたくさんあるんです。ですので、営業スタイルとして「直接訪問」にこだわっていますし、そういった土地をお持ちのお客様は60〜80代の方が多いことも理由としてあります。
そういう方々にとっては、「AIでクリックして査定」という世界より、「直接会って、顔を見て話す」ことのほうが圧倒的に信頼につながります。AIでは地主様の想いは測れませんから。AIやネットの世界が進むほど、弊社のような“超アナログな直接訪問”の価値が逆張り的に上がっている、そんな実感がありますね。
インタビュアー:昔ながらの業界のイメージで恐縮ですが、直接訪問だと所謂「刈り取る」みたいなイメージを持つ方もいると思うのですが、その辺はいかがですか?
南畑様:弊社は「損得より善悪」をものすごく大事にしているので、お客様との信頼関係を第一に考えています。ですので、お客様との関係が1回の取引で終わるのではなく、その後ファンになってくださる地主様が多いんです。
その方々のネットワークで、次の地主様をご紹介いただける。業種的には珍しいかもしれませんが、本当に紹介がどんどん繋がっていく状態です。また、アズワン・ビルドという会社自体への信頼に加えて、社員個人にもファンがついているのも大きいですね。
優秀な社員が多いように見受けられますが、採用についてお聞かせください
南畑様:面接では、所謂一般的な意味での質問は一切しません。「あなたは人生で何を大事にして生きていきたいですか?」という一点だけです。本人の中にある価値観や大事にしていることを、しっかり言語化してもらう。そのうえで、弊社のビジョンや価値観と重なるのかどうかを重要視しています。
重なれば選考が進みますし、重ならなければ「その価値観に合う会社を探した方が幸せですよ」というスタンスです。最初から「ズレをなくす」ことが一番大事だと思っています。
選考フローは4次選考までありまして、1次は「自己理解」、2次は「事業理解」、3次ではロープレなどの実技。ここで実際に仕事を体験してもらい、社員側も候補者をきちんと見る。4次まで残った人には、最後は「本人に選んでもらう」です。最終的な決断は候補者の方に委ねて、「アズワンビルドに入りたい」と自分で決めてきた人だけが入社します。
インタビュアー:すごく仕組み化されていますね。エントリーもかなり多いとお聞きしましたが、いかがですか?
南畑様:新卒採用では、一次選考のエントリーだけで80〜90名ほど集まりました。某大学の就活イベントでは、エントリー数が「一部上場企業に次いで2番目に多かった」と言われたこともあります。
エントリーが多い理由の一つとして、大学で「自己理解」をテーマにした講義を行っていることがあるかもしれません。講義を通じて「どう生きるか」を考えるきっかけを提供し、その中で弊社に興味を持ってくださる方もいらっしゃいます。
採用について、私は「募集の瞬間だけの関わり」で終わるのが嫌で、学生と4年間という時間軸で関わりながら、何かしら貢献できればと考えています。弊社が求める人物像を一言で表すと「頑張る理由を、自分でちゃんと持っている人」ですね。
学歴やスキルより、自分の中に「こう生きたい」「こうありたい」という軸を持っているかどうか。それが会社の理念と重なれば、お互いにとって一番幸せですし、もし重ならなくても、そのプロセス自体がその人のキャリアにとってプラスになるようにしたいと思っています。
だからこそ、大学での講義やセミナーも「自己理解」をテーマにしているんです。その中で「この社長と一緒に働きたい」と思ってくれる人が出てきてくれたらうれしい、というスタンスですね。
インタビュアー:育成についてはいかがでしょうか?
南畑様:基本はマニュアルと週報ベースです。マニュアルは先輩がベースを作り、新人が追記するという形式です。最初のたたき台は先輩が作りますが、実際に仕事をしながら「ここがわかりにくかった」「この手順が抜けていた」などを新人がどんどん書き足していく。こうすることで、常に“現場に即した、生きたマニュアル”になっていきます。

評価制度の構築、週報の運用サービスを導入して良かった点はどこでしょうか。
南畑様:一番大きいのは、「部下自身が自分のことを正しく認識できるようになった」ことです。上司があれこれ言わなくても、週報を書くことで本人が自分の行動や成果を客観的に捉えることが出来る。その結果、人事評価の時にも納得感が高いんです。「誰が点数をつけても同じ評価になるよね」という状態に近づいてきました。
それまで“気持ち”だけだった部分を数値化できたのも大きいです。「頑張っているつもり」を、「これだけ行動した」「これだけ成果につながった」と見えるようにできたことは、双方にとって良かったと思います。
バックオフィス(事務)でも週報を活用しているのですが、これはやって本当によかったです。営業と比べると、事務は「同調的」で「あまり前に出ない」タイプの人も多く、「なんとなく仕事が回っている」状態になりがちでした。週報を入れて、「役割」と「期待値」を明確にしたことで、主体性や業務改善の意識が一気に高まりました。
今は、ルーティン業務はリモートや外注でもできるように整えつつ、コアな改善業務に集中してもらうという形になってきています。マネジメントコストも下がり、上司は本当に大事な部分に時間を割けるようになりました。
インタビュアー:短期間で驚異的な成長をされていますが、順調に推移していったのですか?
南畑様:導入した当時は社員が6〜7名くらいでしたが、そこから一度大量離職が起きて、一時期は2名まで減りました。離職の理由で一番大きかったのは、評価制度を導入したことで起きた「ハレーション」ですね(笑)
でも、それが逆に良かったと思っています。それまで曖昧だった基準を明確にしたことで、「合う人」と「合わない人」がはっきり分かれたんです。そこから、今はパートの方も含めて30名体制になりました。
「気にせずやり続けた」という部分が良かったのだと思います。離職もありましたし、決して順風満帆ではなかったですが、評価制度も採用も含めて、「これがうちの基準だ」と決めたことをやめなかった。結果的に、「基準に合わない人」は離れ、「基準に合う人」が残ってくれた。評価制度という軸が出来て土台が整ったので、そこから一気に増えたイメージです。
今後の展開を教えてください
南畑様:5年スケジュール(中期計画書)を作っていまして、5年後には「上場してもおかしくないフェーズ」に入っていたいですね。必ずしも上場すること自体が正解だとは思っていませんが「いつでも上場できる状態まで事業と組織を磨き上げる」ことには大きな意味があると考えています。
地理的には関西中心で展開していき、今のところ東京などへの展開は考えていません。まずはホールディングス化を進めて、グループ全体の体制を整える。関西での知名度も、今後予定している自治体との取り組み(行政とのマタニティプロジェクトで、自社のお米を妊婦さんにプレゼントする企画などを検討中)を通じて、少しずつ上がってきています。
会社名 株式会社アズワン・ビルド
所在地 大阪市中央区南船場1-3-9 MMEETT502
代表取締役 南畑 俊介
事業内容 不動産売買仲介・買取 収益不動産売買仲介・買取 賃貸・管理・リフォーム 不動産開発事業 農地管理
残置物撤去・遺品整理 建物解体・建物修繕 消防設備点検・保守管理 消防設備改修工事
災害リスクマネジメント
企業サイト https://asone-build.com/